『母のレシピのカレーを日本で売るバングラデシュ人』

ふと入ったカレー店のお話です。

東京の下町である葛飾区で店を構えるその場所には、ひっきりなしと様々な国籍の人が客として訪れていました。

店からは独特なスパイスの香りが溢れ、様々な国籍の客の姿から、その一角だけはまるで異国の様な光景でした。

そのお店の名前は...『ジャパンハラルバザー&アジアンカレーハウス』

店の奥では、イスラムの衣装に身を包む男が、来店しているお客に店内に並ぶ商品の説明をしていて、様々な国籍のお客さんが次々と訪れていました。

お店は繁盛している様です。

こちらのお店には、入口の左手前に2席イートインのスペースがあり、そこで夕飯を食べる事にしました。

このお店で誰しもが注文する一番人気のカレーライスを、店頭のガラス越しにいるTシャツと帽子を被るラフな格好をした「料理長」を名乗る男に注文した後、店の奥にいるイスラムの衣装に身を包む男が、自慢げに僕に話しかけてきたのです。

「このカレーは、私のお母さんのレシピなんです」

そのイスラムの恰好をした男の名前は、「ホセイン」さん、このお店の店長でした。

こちらのお店は、様々なスパイスや、イスラム教の教えに基づく食生活の指針を守ったハラルの食材、スパイスを使用した肉料理やカレーライスを売って、10年以上東京の葛飾区のこの場所で商売を続けているとの事です。

彼の生まれ育った地は、バングラデシュの首都ダッカです。

彼は9人兄弟の家庭で育ち、バングラデシュの大学で政治を学び、大学卒業後の24才の時、日本の文化と当時のバングラデシュとは違った平和な日本に心を惹かれ、約20年以上前に、この日本に訪れたのだそうです。

はるばるバングラデシュから海を渡り、日本の日本語学校で2年間の学びの後、日本のインドカレー屋にオーナーとして雇われたとのことです。

お店で売る決められたレシピのカレーと、彼の故郷への寂しさを癒す、日々彼が自分の家で調理する母のレシピのカレーの美味しさとの違いにとても葛藤があったと彼は話しました。

ここ日本で売られるインドカレーはどこも同じ味に彼は感じていて、彼が当時働くお店も同様だったのです。

そして日本ではめったに売られていないバングラデシュカレーのお店を開業したいとの思いで、お金を貯めて今のお店を開いたそうです。

店長との話の途中で、この店で働く料理長から一杯のカレーが、イートインのテーブルの上に差し出されました。

ビーフカレー¥1000

プラスチック製の食器に盛られた、ゴロゴロと沢山の柔らかい骨付きの牛肉と、独特なスパイスの香り。

一口スプーンで口に運んですぐに、彼の葛藤が理解出来ました。

このバングラデシュカレーは、今まで味わった事の無い、全く異質のスパイス使いと味だったからです。

長時間煮込まれたと思われる柔らかい骨付き牛肉と独特なスパイス...初めて食べるバングラデシュカレーは、本当に美味しいカレーライスでした。

この美味しいカレーを食べている最中、料理長がライスの横にケバブを無料でくれました。

こちらのケバブも本当に美味しい味付けでした。

日本人はケバブが好きなので、ケバブも販売する事にしているとの事です。

このお店に5年前から働く料理長の名前は、「ラフマン・エムディ・ハサヌ」さん、29年前に、ここ日本に出稼ぎに来たバングラデシュ人の方です。

彼が料理長に就任してからも、このお店の方針は変わらず、バングラデシュの家庭の味である『母のカレー』との事です。

現在は全ての料理をハサヌさんが調理していて、全てが本当に美味しい料理ばかりで、彼は一流のコックと言えるでしょう。

(カレーはビーフ、チキン、マトンの3種類があります、カレーは基本的には毎日食べられますが、無い時もあるので事前に確認した方が良いです。問い合わせ先は、070-6985-0975)

店内には様々なスパイスやハラルの食材が販売されています。

仕入れが高く利益が少ないので、お客さんには今以上に来て欲しいそうです。

ホセイン店長は、子供が日本の学校に通っている事と祖国の家族にお金を送る為、バングラデシュには帰らずに、これからもバングラデシュカレーを日本で売り続けて行くそうです。

ホセイン店長、ハサヌ料理長、二人とも一番好きな料理は、『母のカレー』と答えていました。

『ジャパンハラルバザー&アジアンカレーハウス』

お店の住所 東京都葛飾区宝町2-31-11

お花茶屋駅から徒歩3分

営業時間 火・水・木・金・土・日

11:00 – 21:00

定休日 月曜日

問い合わせ 070-6985-0975

フードデリバリーサービス 有り

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